ヒトが太るのは自然なことです。なぜなら、人間は脂肪を蓄えやすいようにできているから...
では、なぜヒトは脂肪を蓄えるのでしょうか?それは脂肪が動くエネルギーを生み出すからです。
そして、脂肪が生きていく上で、必要不可欠だから...
皮下脂肪は、寒さから身体を守る役割を持っていますし、臓器を脂肪でカバーすることにより、外部からの衝撃を和らげる、クッションの役割も持っています。
そうした「脂肪を蓄える」という本能があるために、少しでも体内にエネルギーが余れば、脂肪としてしっかりと貯め込んでおくということは当たり前のことなのです。
ただ太りやすい体質とされる人は、摂取カロリーが1日の必要消費カロリーを越えると、実に効率よく余剰カロリーを脂肪として蓄積してしまうのです。
太りやすい太りにくいを決めるのは?
太りやすい人と太りにくい人との大きな差は、摂取エネルギーを消費する「基礎代謝」の違いにあります。
これは呼吸や体温維持など、特に自分では意識していない、体の活動に使われるもので、その人の筋肉量によって変わってきます。
つまりは、筋肉量が低い人ほど太りやすく、高い人ほど太りにくいということになります。
あなたのダイエットの目標は、もしかして体重を落とすだけになっていませんか?
最近では、ダイエット成功のためには「体重ではなく、体脂肪率を落とす!」という傾向になってきています。
そして、「筋肉率をあげる!」というさらに進んだ目標にも...
というのも、基礎代謝は年齢を重ねるごとに低下します。本来人間は、年を取るとともに少ないエネルギーで生きていける仕組みになっているのです。
これに逆らって、いつまでも若い頃と同じように食べていると、いわゆるメタボ体型の、中年太りになってしまうのです。
20代の時に、1日2000kcalの食事で太らなかった人でも、40歳で5%程度基礎代謝が下がっている人の場合、同じカロリー量でも1年で体脂肪が約3kg超、増える計算になります。
この下がっていく基礎代謝をキープするために必要なのが、筋肉なのです。
筋肉は、脂肪を除いた体の組織の中で、およそ40%を占めているため、筋肉量が多いほどエネルギーがたくさん必要となります。つまり、基礎代謝量はその人の筋肉量によって、大きく左右されると考えてよいのです。
筋肉量チェックはこちら≫≫
生まれつき太りやすい人もいる!
このほか、子供の頃から太っている人は、脂肪を溜め込む脂肪細胞が他の人より多くなって、太りやすい体質になっている人もいます。
また、摂取したエネルギーの消費を決める遺伝子が、β3アドレナリン受容体遺伝子(β3AR)というものですが、生まれつきこの遺伝子に変異のある人は、ダイエットをしてもなかなか効果に結びつきにくいと言われています。
遺伝子変異により、1日当たりの基礎代謝が200kcal低下しているため、太りやすい体質となるようで、日本人の約34%が該当するようです。
少ない燃料で多く活動できて、車にたとえるなら「燃費のいいECOな人」なのですが、いくらダイエットしても効果が出にくく、余った燃料はすぐ脂肪へと転換される特徴があります。
また、この遺伝子の優性遺伝子なので、両親のどちらかに変異があれば、子供に遺伝してしまう可能性があるといわれています。
ともに太りやすい遺伝子としては、脱共役たんぱく質1遺伝子(UCP1)というもので、この遺伝子変異により1日当たりの基礎代謝が100kcal低下し太りやすい体質となり、日本人の約25%がこれに該当するようです。
反対に、太りにくい遺伝子もあります。
β2アドレナリン受容体遺伝子(β2AR)というもので、この遺伝子変異により、1日当たりの基礎代謝が、逆に200kcal高くなり、太りにくい体質となるようです。日本人の約16%の人が、このお得な遺伝子に変異を持っているようです。
肥満体質には基礎代謝量の違いが関わっています。そしてこの基礎代謝量の個人差には、これらの肥満遺伝子が関係しています。
基礎代謝量と1日に必要なエネルギー量を正しく知ることはダイエット成功だけでなく、健康と美容の維持には欠かせません。
このβ3アドレナリン受容体などの検査は、
郵送遺伝子診断もできるようです。
少し高額な検査ですが、3項目の肥満遺伝子検査により、正確な肥満体質の判定をした上でダイエットに望むのも、戦略的ダイエットといえるのではないでしょうか?
「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」(by 孫子)です。^^
- 【肥満度チェックしてみよう!】
- 遺伝子ダイエット診断 簡単なセルフチェック
- 太りやすい度チェック
- ストレス太り危険度チェック