昔から「病は気から」という諺がありますが、東洋医学では、病気のほとんどは、ストレスから生まれると言われています。当然、ダイエットにおけるストレスも、過食を引き起こす元凶となり、解決したい問題のひとつです。
ストレスの感受性は個人差が非常に大きく、また、人として生きている以上、ストレスを完全に取り払うことは不可能ではないでしょうか?
ならば、「ストレスによるマイナスの影響をできるだけ少なく」という考え方で、ストレスと上手に付き合うということが大切です。
気・血・水とは?
東洋医学に、「気・血・水(き・けつ・すい)」の言葉があります。
人間の健康は気・血・水の3要素が体内をスムーズにめぐることによって維持されると考えます。
この3要素のバランスがくずれ、滞ったり、偏ったりしたときに、ストレスや病気、障害などが起きてくると考えられています。これが東洋医学(漢方)の根本的な考え方です。
【気】とは、生命エネルギーのことで、このエネルギーがなければ、私たちは生命活動を維持することができなくなってしまうほど、大切なものです。
呼吸や、心臓の働き、血液の循環、体温や汗の調節をする働きなどは、全て気によって行われています。陰陽に分けると、陽の部分を担っています。
【血】は、文字通りの血液とその血液が運んでくる栄養素のことをさします。血液が栄養を全身にめぐらせることで、全身に栄養を与え、潤す作用を意味しています。
また、血が不足するとイライラしたりぼんやりしたりしてしまい、精神面にも大きな影響を与えます。陰陽に分けると、水と共に陰の部分を担っています。
【水】は、単純に水分ということだけでなく、汗やリンパ液、消化液、皮脂などの、血液以外のすべての体液のことをさします。
「水」は体内で不要になった老廃物を、体外に排出する役割ももっています。血と共に、陰の部分を担います。
女性の気・血・水の乱れは自らが作る!
「気・血・水」は全身をくまなく流れており、これらが正常に流れることで人間は健康を維持することができます。
一方病気などのように体が不調になるのは、この「気、血、水」が不足したり、滞ったり、過剰になったりすることです。
体の中のめぐりがうまくいかなくなり、体に悪いもの、不要なもの(毒素など)が溜まってしまうことが原因だと考えられています。
女性の場合、無理なダイエット、見かけ重視の薄着のファッションなどが原因の「冷え」から、「気・血・水」のバランスを、自ら崩している場合が多く見うけられます。
そして、女性には月経(生理)という不安定な時期がありますから、その時期に無理をすると「冷え」をどんどん悪化させてしまいます。
「冷え」はストレスと深い関わりを持っており、仕事や家庭でストレスの多い現代女性は、なおさらのこと...。
さらに女性の場合ホルモンバランスの関係から、年齢とともに症状が移り変わっていくという特徴があります。
20代では「血」の症状が現れ、30代が「水」の症状。そして、40代になると一気に悪化して、「気」の症状が目につくようになります。
漢方で診るストレスは、体を巡る生命エネルギーである「気」がうまく巡らなかったり(気うつ)、不足したり(気虚)、気が頭の方に上ってしまったり(気逆)するため、心と体にさまざまな支障が出てくるということなのです。
そこで、ストレスによって起こった心と体の不調には、気を補ったり、巡らしたりする生薬を使って、気の状態を整えていきましょう。
法則その
冷えからはじまるストレス!
「体の外から冷やさない」「そして中から冷やさない」「冷えを感じたらすぐ温める」。
「冷え」が、「気・血・水」のバランスを崩します!