油抜きダイエット法をされる方も多いと思いますが、本当にダイエットに「油」は必要ないのでしょうか?
ダイエットをする上で、付き合い方が難しい栄養素が脂肪です。脂肪は糖やたんぱく質などの他の栄養素にくらべると、2倍以上のエネルギーを持っていて、その摂取をいかに減らすかがダイエットの重要なポイントになります。
油を飲むダイエット 『シャングリラダイエット』なるものも話題。「油は油で落とす」という方法ですが、本当のところは...
油=ダイエットの敵なのか?
「油=ダイエットの敵」と考えてしまいがちですが、まったく油を摂らないと、脂溶性のビタミンが足りなくなったり、体内で合成できない必須脂肪酸が足りなくなるため、肌荒れや体のたるみなどがおこり、キレイに痩せることができないといわれています。
そのほかにも髪のツヤがなくなりパサパサになったり、生理不順の原因になることもあります。必要以上に脂質が不足してしまうと、健康とともに美容面でもダメージを受けます。
基本的に、油は私たちの身体に必要なモノです。
人間の体内の恒常性(ホメオスタシス)を維持したり、発育と成長を助けたり...。
性ホルモンや副腎皮質ホルモンをはじめとするさまざまなホルモンの材料も、「コレステロール」という油からできているのです。
最近の研究では、コレステロール値が低めの人よりも高めの人のほうが長生きするという研究結果も出ています。
(参考記事:どうしてコレステロールは悪者になったの?http://www.kewpie.co.jp/know/cholesterol/cholesterol_03.html )
良い油と悪い油に分けて考えよう!
ダイエットにも長生きのためにも、「いい油は積極的に摂取して、悪い油は、極力摂らない。」ということが大切なようです。
では、いい油、悪い油って何? ということになりますよね。
これに関しては、(参考記事:体にいい油は何が違う?)で、わかりやすく解説しくれています。
ただ、油を摂る上で気をつけておきたい点は、「目に見える油と目に見えない油」があるということです。
目に見える油とは、調理油、マヨネーズ、バター、ドレッシングのことです。
また、目に見えない油というのは、豆や穀物類、肉類、魚介類、乳製品、お菓子類などに含まれる油のことです。
目に見える油には比較的注意していても、食材そのものに含まれる目に見えない油には、なかなか注意がいかないものです。ついついおかずを取り過ぎたりすると見えない油の量が増えるのできちんとカロリーチェックが必要です。
油を上手に摂るためには...
油を上手にとるコツは、油の主成分である脂肪酸のバランスです。
ダイエット中や、体脂肪を減らせたい人は、体に脂肪がつきにくい
トクホ(特定保健用食品)の油を上手に取り入れると、より効果が期待できます。
トクホ(特定保健用食品)として厚生労働省に認められた油には、エネルギーとなって燃えやすい
「中鎖脂肪酸」
を含んだものや、コレステロールの吸収を抑える
「植物ステロール」
を含んだものがあります。
また、お腹が空くとついつい間食が増えてしまいますが、油は「腹持ち」がいいという特徴があり、満腹感が長続きして、食べ過ぎ防止にもつながります。そして、何より料理をおいしくしてくれるため、少量でも満足感があります。
さらに、同じエネルギー量であれば、「油を適度に含む食事」に比べ、「油が少なく、炭水化物の多い食事」の方が、内臓脂肪が体に蓄積されやすいことも分かってきています。
法則その
良い油はダイエットの味方!
油は「腹持ち」がよく、満腹感が長続きして、食べ過ぎ防止にもつながります。
コレステロール値が低めの人よりも高めの人のほうが長生きするという研究結果も!
脂肪がつきにくいトクホの油を上手に取り入れましょう!
中鎖脂肪酸
(ちゅうさしぼうさん)
中鎖脂肪酸とは飽和脂肪酸の一種。
普通の油に含まれている脂肪酸の炭素数が18個程度なのに対して、中鎖脂肪酸は、炭素の鎖が8〜12の飽和脂肪酸で、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸とも呼ばれます。
炭素の鎖が短く分解されやすい特性を持ち、体脂肪として蓄積されにくい性質を持っています。
植物ステロール
(しょくぶつすてろーる)
コレステロールとよく似た構造をもち、豆、ごま、植物油などに多く含まれます。
コレステロールは小腸で溶けて吸収されますが、植物ステロールは溶けてもほとんど吸収されず、体外へ排出されてしまう特徴を持ちます。
コレステロールと植物ステロールが同時に存在していると、コレステロールの吸収がその分阻害されるため、血中のコレステロール濃度を低下させる作用があるといわれています。