「若い頃と食べている量はそんなに変わっていないのに太ってしまう?」という人。それは、加齢とともに筋肉が減った分、カロリーの消費量が少なくなり、余分なエネルギーが脂肪として体に蓄積されるからなのです。
筋肉は、体の中で一番多くのカロリーを消費しています。そのため、筋肉が減ると、それに伴ってカロリー消費量も減少し、体は余ったエネルギーを脂肪として蓄えはじめます。
下腹ポッコリの原因になるだけでなく、中性脂肪やコレステロール値・血糖値などが上昇し、高脂血症や糖尿病といった生活習慣病の心配もでてきてしまいます。
特に女性の場合、閉経前後からホルモンのバランスが変化して、皮下脂肪や、内臓脂肪も増加しやすい傾向にあります。
体のラインが崩れる悲しい訳?
加齢に伴って体形が崩れていく謎を解き明かす鍵は
体組成
にあります。
身体は大きく分けて、脂肪と、
除脂肪
(水分、筋肉、骨)の2つで構成され、体重はこの脂肪と除脂肪を合わせた重さになります。
残念ながら、私たちの体は20歳代をピークに、除脂肪の部分(なかでも筋肉)が減少し、衰えていきます。
筋肉は、体を動かすためだけに使われているのではなく、重力に逆らって、体の各部分を持ち上げ、体のラインを整える大切な働きをしています。
例えば、鎖骨の下にある大胸筋が減少するとバストラインがどんどん下がってきます。
また、体の前面を走る腹直筋が減少するのは、ポッコリおなかの原因です。ヒップラインが垂れ下がるのは、ウエストのすぐ下にある大臀筋が減少するせいです。
要するに、若い頃と体形がすっかり変わってしまうのは、筋肉の減少が原因なのです。筋肉が衰えると、体のラインは崩れてしまいます!
筋肉量をチェックしてみる?
ダイエットに最適の筋肉がある!
ただ筋肉を鍛えるといっても、ボディービルダーのような、マッチョな体になりたいわけでは、ありませんよね。
目指すのは、引き締まった、しなやかな体型です。そのためにも、適切な筋肉をつける必要があります。
このうち、鍛えるとダイエットに最適の筋肉と言われるのが
赤筋
です。
白筋
に比べて、体脂肪を燃やす力が2倍以上も高いと言われています。
赤筋を鍛えるためには、軽めのダンベルなどを、ゆっくり使うのがポイントです。
赤筋が増え活性化してくると、基礎代謝がアップし、寝ている間にも体脂肪が少しずつ燃える体質に変わってくるため、ダイエットが成功するだけでなく、ダイエット後も太りにくい体に変わっていきます。
★ ダンベル体操は、
1〜2kgの軽いダンベルを使用します。一日10〜15分程度毎日続けるのがベストですが、一日15分となると、毎日続けるのは、けっこうきついと思います。
そこで、疲れているときや、時間がないときには、一日3分の、お手軽筋トレ!をお勧めします。
体組成
(たいそせい)
(body composition)
身体の成分組成のことで、水分、脂質、タンパク質、無機質とに分けられます。性別、年齢、生活条件や生活習慣等の影響を受けます。
除脂肪
(じょしぼう)
(LBM:lean body mass)
体脂肪率に基づいて導き出した脂肪量を、全体重から引いた残りを除脂肪量(除脂肪体重)といいます。
赤筋
(あかきん)
赤筋は筋肉の種類を指し、見た目が赤く、持続的な運動に適した筋繊維のこと。
赤色のミオグロビンが多いと赤く見えることから赤筋と呼ばれます。
赤筋のエネルギー源は脂肪であることから、ダイエットにも注目されています。赤筋を鍛えるためにはゆっくりとした運動をすることが大切で、姿勢を良くするだけでも赤筋を鍛えることが出来ます。
白筋
(しろきん)
白筋は筋肉の種類を指し、見た目が白く、瞬発的な運動に適した筋繊維のこと。
ミオグロビンが少なく白く見えるので白筋と呼ばれます。