基礎代謝とならんでダイエットに大きく関係してくるのが、食事誘導性熱産生(DIT)です。ダイエット用語の中で、覚えておきたい言葉の一つです。
例えば、ご飯を食べると体が熱くなったり、汗をかいたりすることがありませんか?
それが食事誘導性熱産生(以下DIT)で、食事を消化吸収する過程で出る熱エネルギーのことです。
太りやすい人と太りにくい人の違い!
たくさん熱を発散する人ほど、同じカロリーの食事をしても、発散するエネルギーが多いため、吸収するエネルギーが少なくなります。
食事をした後に体温が上がりやすい人、DIT反応が高い人の方が太りにくいというわけです。
DITは年齢とともに低くなり、脂肪質の人より筋肉質の人の方が高く、運動習慣の多い人の方が高い、といったことも言われています。
食事をする時間帯や、食べ方などでもDITは大きく変わってきます。
以下の6つの項目が、DIT反応を高める方法といわれています。
- 夜遅くの食事は避けましょう。
- DITは午前中が一番高く、昼〜夜と時間がたつにつれて低くなります。
- 1日に同じカロリーの食事をしても朝昼の時間帯に食事をすれば太りにくくなります。
- 軽く運動してから食事を摂りましょう。
- DIT反応による脂肪を燃焼する量が多くなり、脂肪をエネルギーにする働きが長く続きます。
- (※注 運動後に食事をとる場合は、30分程度が望ましいようです。)
- 冷たいものより、温かいものを食べましょう。
- 冷たいものより温かいものを食べた方が、体温が上りDITは高くなります。
- ざるそばなら、かけそばというように温かいほうのメニューを選びましょう。
- 香辛料や薬味を効果的に使いましょう。
- 胃腸を刺激したり、血行をよくするため、DITは高くなります。
- 唐辛子、コショウ、わさび、マスタード、青じそ、ねぎ、生姜、みょうが、にんにくなど。
- タンパク質をたくさんとりましょう。
- タンパク質はエネルギーに変わりやすくたくさんとった方が、DITは高くなります。
- 卵、大豆製品、チーズ、魚介類、肉類、などを積極的に摂りましょう。
- 食後のコーヒーが効果的。
- カフェインが交感神経を刺激してノルアドレナリンというホルモンを分泌して、
褐色脂肪細胞を活性化してDIT反応を高めます。
- 食後にコーヒーや紅茶といったカフェインをとった方が、DITは高くなります。
(※注 妊娠中のカフェイン摂取は注意が必要です。)
飲み物種類 |
カフェイン含有量 |
コーヒー (ドリップ) |
60〜180mg(150mlあたり) |
紅茶 |
28〜44mg(150mlあたり) |
緑茶(煎茶) |
26〜30mg(150mlあたり) |
コーラ飲料 |
15〜24mg(180mlあたり) |
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(お茶の伊藤園調べ http://ocha.tv/)
褐色脂肪細胞とは?
脂肪細胞は、白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の2種類があります。
白色脂肪細胞は、白〜黄色の組織で、全身のあらゆるところに分布し、下腹部やお尻、太もも、背中、腕の上部、内臓の回りなどに多く存在しています。
褐色脂肪細胞はその名の通り、「褐色」をした脂肪組織です。
白色脂肪細胞のように脂肪酸を内部に取り込む作用はなく、エネルギーを取り込み熱を産生する働きがあります。脇下や背中、内臓では心臓、腎臓周囲に分布しています。
『ウイキペディア(Wikipedia)』でもっと詳しく ≫≫
食べても痩せる秘訣!
基礎代謝や生活活動代謝量はもちろん運動しないとアップしないのですが、DITは、以上のように心がけ次第でかなりアップします。
よく噛んで食べることはもちろんですが、単純に食事をする時間帯で大きくDITが違います。
朝食をしっかりと多くとっても、DITが高い時間帯のため、効率よく消費されます。
そのため、夜にたくさん食べるよりも、午前中にしっかりとした食事を取った方が、ダイエットのためには良いといわれています。
夜食が太りやすいのはこのためですね。
そのほかにはというと、まず冷たい食べ物よりも温かい食べ物を意識して食べるようにしてみてください。
血行がよくなり、食事誘導性熱産生(DIT)も上がります。「香辛料がダイエットにいい!」といわれるのもこのあたりからきているようです。